再突入回収の最終段階に関する一連の動作を確認し、打ち上げに向けて大きく前進パラシュートが開き、降下するカプセル宇宙で実証・実験を行ったあと、地球に帰還可能な宇宙機を開発する株式会社ElevationSpace(代表取締役CEO:小林稜平、読み:エレベーションスペース、以下「ElevationSpace」)は、宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」の初号機「あおば」の回収カプセルについて、福島県南相馬市沖の海域において大気圏再突入カプセルの高空落下試験 Phase 2(以下「本試験」)を実施し、目標とする諸機能の確認に成功したことをお知らせします。本試験概要試験名称:大気圏再突入カプセルの高空落下試験(Phase 2)試験目的:大気圏再突入カプセルの回収プロセスを確認するための試験技術を構築し、Phase 1において生じた課題点を含む下記項目について正常動作することを確認すること① 降下中にパラシュートを放出し、パラシュートによる減速を行うこと② カプセル飛行中・着水時の飛行環境データを取得すること③ 着水後にフローテーションバッグ(浮き輪)など洋上回収に必要な装備が機能し、CPM(カプセルモジュール)が回収されること期間:2025年2月22日場所:福島県南相馬市沖の海域この度実施した本試験において、①、②、③すべての項目について正常に動作することを確認しました。緊迫した試験の全貌を追ったショートムービーも同時公開!■「大気圏再突入カプセルの高空落下試験」ドキュメント映像%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2F22CmpitzZgs%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3EElevationSpace 代表取締役CEO 小林 稜平のコメントまず初めに、本試験の実施にあたり多大なるご協力をいただいた地元漁協組合をはじめとする関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。本試験は昨年実施したPhase 1で積み残しとなった課題を克服するための場でもありました。今回の成功は、開発上の大きなマイルストーンをクリアすると同時に、当社の課題解決力が証明されたという意味で価値の高い成果だといえます。今後も挑戦と改善を通して、ミッションの実現に向け取り組んで参ります。EvationSpace CTO 藤田 和央のコメント宇宙からの物資回収事業を手がける弊社にとって、カプセルを地球上へ帰還させて回収する技術を獲得することは最も重要な課題の一つです。今回の試験によって、カプセルがパラシュートを放出し、パラシュートによって最終減速し、着水してフローテーションバッグにより浮遊し、位置情報を発信し、これを受信してカプセルを探索し、回収船によって回収する、という一連の手順が検証できました。これにより技術実証機「あおば」の打ち上げに向けて大きく前進しました。引き続き打ち上げに向けた準備を進めて参ります。カプセルを投下した瞬間▼関連プレスリリース地球へ帰還するカプセルの高度1.8kmからの回収試験に成功しました(2024年9月18日)https://elevation-space.com/posts/news_20240918宇宙から燃え尽きずに物を持ち帰る”回収カプセル”、試験用モデルにおいてパラシュート格納サイドパネル展開試験成功(2024年1月9日)https://elevation-space.com/posts/news_20240109宇宙から地球に物資を持ち帰る”回収カプセル”、着水衝撃試験成功(2024年5月14日)https://elevation-space.com/posts/news_20240514宇宙から物資を持ち帰る“地球への旅” 、人工衛星から回収カプセルを切り離す「分離衝撃試験」成功(2024年6月20日)https://elevation-space.com/posts/news_20240620 自治体・地元企業との連携についてElevationSpaceは、本試験を実施した福島ロボットテストフィールドが所在する南相馬市と、2023年4月に連携協定を締結しています。協定項目でもある「開発促進に向けた市内の実証場所確保」として、本試験のほか、「ELS-R」開発にあたって必要となる海上での実証試験についても調整を進めているところです。また、南相馬市をはじめとする浜通り地域には、製造業を中心とした宇宙産業と親和性の高い企業が多数あり、こうした地元企業とものづくり面での連携を行っています。さらに、東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するため、当該地域の新たな産業基盤の構築を目指す福島イノベーション・コースト構想推進機構(以下「福島イノベ機構」)の伴走支援の下、福島イノベ機構の「ビジネスアイデア事業化プログラム」に採択されるなど、取り組みを加速しています。これからも、東北ひいては日本の経済発展に寄与するため、「ELS-R」の着実な開発・実現に加え、浜通り地域を起点とした宇宙産業バリューチェーン(価値連鎖)の構築支援や、更なる地元企業との連携、現地雇用の創出を進めてまいります。最後になりましたが、今回の試験実施に際し多大なるご尽力をいただいた東北エアサービス株式会社、有限会社スカイライフ、相馬双葉漁業協同組合のご協力に心より感謝申し上げます。