軌道上拠点への国産有人宇宙機の開発を目指す日本が世界に誇る小型衛星による再突入技術を軸に、宇宙から地球への輸送サービスを開発する株式会社ElevationSpace(代表取締役CEO:小林稜平、読み:エレベーションスペース、以下「ElevationSpace」)は、2030年代の有人宇宙輸送の実現に向けVisionを刷新したことをお知らせします。新しいVisionを「軌道上のヒト・モノをつなぐ交通網を構築する」とし、地球に帰還可能な再突入機から、軌道上拠点への物資・有人輸送や軌道間輸送へと事業領域を拡張し、軌道上交通網の構築に挑戦してまいります。新Visionのイメージビジュアル2040’s Vision「軌道上のヒト・モノをつなぐ交通網を構築する」ElevationSpaceは、軌道上における“ヒトとモノの移動”を支える、新たな宇宙の交通網を構築します。それは、地球と宇宙を一方通行ではなく双方向につなぎ、地球上の経済と宇宙の経済が循環するエコシステムをつくることを意味しています。私たちが描く2040年の世界では、地球・月・火星、そしてその軌道上に多様な拠点が存在しています。中でも地球軌道上は、惑星や月の表面にはない微小重力環境を活用した宇宙環境利用の中心地として、研究・産業・居住・観光など多様な都市機能が展開され、地球と軌道上を高頻度にヒトとモノが行き交う世界が実現しています。こうした未来を築くための第一歩が、2026年後半以降に打ち上げ予定の日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」であり、無人宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」、有人拠点からの高頻度物資回収サービス「ELS-RS」です。日本が世界に誇る再突入技術を軸に、地球と宇宙の間に双方向の循環を生み出す仕組みを実装するべく、軌道上拠点への物資・有人輸送や軌道間輸送へと事業領域を拡張し、軌道上交通網の構築に挑戦していきます。ElevationSpaceはこれらを通じて、誰もが宇宙で生活できる世界を実現し、地球と宇宙の経済をつなぎ、人の未来を豊かにしていきます。有人宇宙輸送までの事業ロードマップ人類の宇宙進出を実現するためには、地球への帰還を可能にする再突入・回収技術が不可欠です。当社は現在取り組んでいるELS-RおよびELS-RS事業を通じて、コア技術である再突入・回収技術の成熟を進めるとともに、有人宇宙機に必要なランデブー・ドッキング技術や、安全性を確保するための各種有人技術の獲得を着実に進めてまいります。また今後は、国内外の関係機関や企業との連携を通じて、ECLSS(環境制御・生命維持システム)やマンマシンインタフェースなど、有人宇宙機に求められる要素技術の習得を目指し、モックアップ製作等を含む実践的な技術開発に取り組みます。そして、軌道上拠点への国産有人宇宙機の実現に向け、産学官の力を結集しながら、一歩一歩着実に歩みを進めてまいります。有人宇宙機のコンセプト当社が構想する有人宇宙機は、少人数を軌道上拠点へ柔軟に輸送できる、機動性の高いカプセル型宇宙機です。ELS-R / ELS-RSで培った再突入・回収技術をベースとした信頼性の高いカプセル型有人輸送システムを実現し、安全性と再使用性の両立を可能にします。有人宇宙機のイメージビジュアルElevationSpace 代表取締役CEO 小林 稜平のコメント当社が掲げる「誰もが宇宙で生活できる世界を創り、人の未来を豊かにする」というミッションは、創業当初から一貫して変わることはありません。その実現に向けて、私たちは軌道上における交通網の構築に注力しており、なかでも“地球へ帰還する技術”はその中核をなすものと考えています。ロケットによって宇宙へ到達することだけなく、その先にある「持続可能な宇宙活動」を支えるインフラとして、往復可能な宇宙輸送の仕組みが不可欠です。この壮大な挑戦は、私たち単独で実現できるものではありません。多くの企業や研究機関と力を合わせ、日本が培ってきた技術と知見を結集することで、はじめて成し遂げられるものです。今後、志を同じくするパートナーとの連携を一層加速させながら、国産の有人宇宙輸送システムの実現に向けて、着実に歩みを進めてまいります。